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高校のスポーツ推薦入試とは?具体的な入試の仕組みや対策方法を解説

2025.07.16 更新日: 2025年5月30日

高校入試には、スポーツ推薦枠があります。学校内外を問わず、スポーツで優秀な成績を収めた生徒に対して設けられた入試制度で、特技のスポーツを活かして入試を受けることができます。とはいえ、具体的にどのような入試なのか気になる方もいるでしょう。本記事では、高校のスポーツ推薦入試の特徴を解説します。具体的な入試の仕組みはもちろんのこと、メリットやデメリット、対策方法などもまとめました。スポーツ推薦に興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

高校のスポーツ推薦とは?入試の仕組みを解説

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スポーツ推薦とは、スポーツの技能と学力を兼ね備えた中学生を対象に、筆記試験を免除して入学させる入試方法です。

 

例えば、県大会で入賞経験があったり、インターハイの出場経験があったりと、スポーツで活躍経験や実績経験があればスポーツ推薦枠で志望校の入試が受けられます。

 

特技のスポーツを活かせる受験生にとっては、魅力的な入試制度といえるでしょう。

スポーツ推薦の応募条件

スポーツ推薦は、残念ながら誰でも受けられるわけではありません。地区大会や全国大会で結果を残した方や高校から推薦スカウトを受けた方など、出願条件が設けられています。具体的な出願条件例は以下のとおりです。

 

・地区大会や全国大会で一定以上の成績を残している

・部活やクラブチームなどでレギュラーとして活躍している

・部活と学業が両立できている

・高校や中学校側から推薦のスカウトを受けた

・入学後もスポーツ活動を続ける意思がある

 

上記はあくまでも一例ですが、学校によってはスポーツ推薦の応募条件が異なります。もし志望校でのスポーツ推薦の受験を考えている場合は、具体的な応募条件を事前に把握しましょう。

スポーツ推薦の選考方法

 

高校入試のスポーツ推薦の選考方法は、学力、面接、実技試験の3つで行われることが多いです。学校によっては、作文や小論文を課すところもあります。

 

スポーツ推薦と聞くと、実技試験だけだと思われがちですが、実際には学力試験で学力がチェックされ、面接では人柄も評価されます。

 

その他にも、調査書や大会の実績を証明する書類などから評価されるのもポイントです。

 

たとえスポーツの実力があっても、学力や人柄に問題があれば、落とされる可能性があります。推薦入試を受ける際は、しっかりと対策を行った上で臨みましょう。

入試と合格発表の時期

 

高校のスポーツ推薦入試は、一般的に1月中旬に出願が始まり、1月末に試験、2月上旬に合格発表があります。学校によっては、12月末から出願を開始するところもあるため、志望校の入試スケジュールを正確に確認しましょう。

 

スポーツ推薦は一般入試と比べて早い時期に実施されるので、早めの準備が必要です。

 

スポーツ推薦で候補に挙がっている生徒は、3年生の秋ごろまでに学校から声がかかります。もしスポーツ推薦と一般入試の受験で迷っている場合は、両方の試験を受けることを念頭に置きましょう。

スポーツ推薦で高校受験するメリット

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スポーツ推薦のメリットは、特技のスポーツで高校にアピールできるところです。実技試験でスポーツの実力が認められれば、高校側も受験生の入学に対して前向きに考えるようになります。

 

実力次第では、入学後に選抜メンバーとして活躍できる機会が増えるかもしれません。

学力免除が適用されやすい

 

スポーツ推薦のメリットは、学力免除が適用されやすいところです。学校によっては学力試験を免除したり、科目数を少なくしたりと、学力が免除されるケースがあります。

 

比較的易しい問題が出題されることもあり、一般入試と比べて受験勉強の負担は軽減されやすくなるでしょう。

特待制度で費用負担が軽減されやすい

 

インターハイや大きな大会で優勝やベスト8など優秀な成績を収めた場合には、特待制度の対象になる可能性があります。

 

特待制度とは、学校が定めた基準をクリアした生徒に対して適用される免除制度のことです。特待制度が適用されると入学金や授業料、施設費用などの費用が免除される可能性があります。

 

学費で経済負担を感じる家庭にとっては、特待制度は魅力的な制度といえるでしょう。

レベルの高いチームでスポーツができる

 

スポーツ推薦の魅力は、レベルの高いチームでスポーツがしやすいところです。スポーツ推薦ではレベルの高い生徒が集まるため、ハイレベルなスポーツが期待できるでしょう。また学校によってはプロの指導者もおり、さらなる実力が磨けます。

スポーツ推薦のデメリット

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スポーツ推薦は、よいことばかりではありません。スポーツ推薦ならではのデメリットもあり、人によっては入学後の高校生活で苦労する場面があります。

 

過酷な練習についていかなければならない

 

スポーツ推薦で入学してしまうと、実力を発揮するために部活中心の生活になる可能性があります。とくにインターハイや全国大会などの出場を控えている高校の場合は、さらに練習が過酷になるでしょう。

 

十分な体力とメンタリティーがなければ、練習でついていくのが難しくなるかもしれません。

学業との両立が難しい

 

スポーツ推薦を設けている強豪校は、過酷な練習に加え学業との両立を求めてくる場合があります。

 

部活によっては朝練習や昼練習、土日練習など、ひたすら練習を設けているところは珍しくありません。そのような過密練習で、隙間時間を活用して学業に専念できるかが重要になります。

 

もし定期テストで赤点を取ったり、留年をしてしまったりすると、状況によっては練習への参加や大会への参加を禁止されるかもしれません。

部活を辞めにくい

 

スポーツ推薦は、3年間同じ部活で競技を続けることが前提となっているため部活を辞めるのは難しいでしょう。

 

部活を辞めることは可能ですが、翌年以降の推薦入試で影響が出たり、特待制度を受けている生徒の場合は援助が受けられなくなったりと、さまざまなリスクがあります。

 

このような理由から、スポーツ推薦を受ける際は、3年間部活を続ける覚悟を持つことが重要です。

周囲への配慮を損ないやすい

 

スポーツ推薦は一般入試と比べて、早い段階で合格発表がされます。早い段階で進路先が決まったことから喜びに浸る方もいるでしょう。

 

しかし、喜びに浸れ過ぎて周囲への配慮を損ねるのはおすすめできません。2月初期の段階は本格的な受験シーズンの最中にあるため、浮かれた雰囲気は周囲の空気を乱しやすくなります。

 

場合によっては、同級生との関係で思わぬ亀裂が生じるかもしれません。卒業間近で同級生との関係にひびが入ると、深い後悔や悲しみを抱いてしまいます。中学校の思い出に傷がつかないよう、周囲に配慮し気持ちよく卒業しましょう。

スポーツ推薦を受ける際のポイント

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初めてのスポーツ推薦で、どのように受験対策すればよいのか分からない方もいるでしょう。ここからは、スポーツ推薦を受ける際のポイントを紹介します。

学校の成績を一定基準以上満たす

 

スポーツ推薦を受ける際は、スポーツのみならず学業にも専念しましょう。スポーツ推薦では、調査書に含まれている内申点(教科の学習記録)もチェックされます。

 

内申点とは、調査書に記載されている通知表の点数のことです。5点満点×9教科で評価され、学校の定期テストはもちろんのこと、提出物や授業態度、出席率なども評価対象になります。

 

内申点が足らないとスポーツ推薦での入試志望が難しくなるため、日頃の勉強は欠かせません。

スポーツ推薦の対策を徹底する

 

スポーツ推薦の選考方法は、各学校によって異なります。そのため、事前に選考の詳細を知り、早めに対策を練ることが重要です。例えば実技試験に加え学力試験や面接などを控えている場合には、試験対策を徹底し面接本番で受け答えができるよう面接練習をしましょう。

一般入試の準備もする

 

万が一に備えて、一般入試の準備も進めましょう。スポーツ推薦であっても、落ちる可能性があります。合格できると過信し一般入試の準備を怠ってしまうと、焦るため注意が必要です。たとえスポーツ推薦で落とされたとしても、一般入試で実力が発揮できるよう受験勉強にも専念しましょう。

スポーツ推薦で合格を勝ち取ろう

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本記事では、高校のスポーツ推薦の特徴を解説しました。インターハイや全国大会などで優秀な成績を収めた生徒は、スポーツ推薦で志望校合格を勝ち取れるチャンスがあります。

 

スポーツ好きの方には魅力的な入試制度ですが、3年間同じ部活の競技を続けることが前提となっているため、強い意思で臨まないと後で後悔しやすくなります。スポーツ推薦の仕組みを知り、しっかり検討した上で試験に臨みましょう。